ITの知識やプログラミング学習ももちろん大変ですが、転職活動の最大の山場は採用面接だと断言できます。なぜなら面接の受け答えには明確な答えがないからです。IT分野の知識やプログラミングには答えがありますが、面接は違います。
ではどうすればいいのか?大切なのは、どのような質問をされるか傾向を把握して、企業の求める人物像にできる限り近い人材であることをアピールすることです。
今回は、25〜30社ほど採用面接を受けてきた私の経験からほぼ確実に聞かれる質問を5つピックアップしました。その質問に対するNG返答例や望ましい返答例を解説していきます。
この記事で紹介する質問の返答例は、実際に私が面接の時に話した内容です。返答例のような受け答えをした結果、6社から内定をいただいただくことができたので、微力でも参考になるかと思います。
この記事は以下の方々の悩みを解決します。
・未経験からITエンジニアに転職活動をしている方
・ITエンジニアを志望していて、採用面接がうまく進んでいない方
・今後ITエンジニアに転職することを考えている方
※以下はプログラミング学習について、どのようなプログラミング言語を、どういった順番で、どのように進めていくべきかをお話した記事です。よろしければ合わせてご覧ください。
絶対に聞かれた質問5選
私は転職活動時にフィードバックをいただくため、面接で聞かれたことやそれに対する返答を記録していました。その記録から、私が面接を受けた25~30社でほぼ確実に聞かれる質問を5つピックアップします。
Q1. エンジニアを目指した理由は?
Q2. エンジニアとして携わりたいことは?
Q3. エンジニアとしてのキャリアプランは?
Q4. プログラミングを学習しているか?(している場合、学習して感じたことは?)
Q5. 未経験者のあなたが会社に貢献できることは?
早速Q1から順に見ていきましょう。
Q1:エンジニアを目指した理由は?
この質問の意図は、あなたの志望度や業界・業種に対する理解度の確認です。
数ある業界・業種の中からなぜIT業界のエンジニアに転職したいと思ったのか。あなたを動かした動機を知って志望度を測りたいのです。
この返答では、とてもありきたりで動機が薄いため面接官の印象に残らない、味気ないものになってしまいます。なのでここでは、IT業界のエンジニア職でなければいけない明確な理由を話しましょう。
その中で、あなたの実体験やIT業界・エンジニアに対しての知見を交えて伝えることができればより好ましい返答になります。
IT業界・エンジニア職にしか当てはまらない志望理由を実体験や知見を踏まえて伝えよう
この内容もまだまだ粗があるとは思いますが、面接していただいた方からのフィードバックとして
と一定の評価をいただいたこともありました。
よろしければ参考にしてください。
Q2: エンジニアとして携わりたいことは?
この質問の意図は、企業と求職者の認識を確認することです。
求職者が企業を選ぶときと同じように、企業も求職者に対してある程度の採用条件や価値観のマッチングを求めています。
企業の事業・業務内容とマッチしているか、今後の企業の展望に共感してくれるか、エンジニアとして何をモチベーションに働いていくのか…。これらを企業側が知ることにより、あなたとの相性を図っているのです。
上記のような回答だと、あまり深く考えてないのではないか、企業の開発環境とマッチングしない可能性があるのではないか、などと捉えられてしまう可能性があります。
この質問の返答としては、具体的に携わりたい業務を企業の価値観に近い形で答えることです。
そのためにはまず、しっかりと業界・業種を研究をする必要があります。そして、自分なりのやりがいや貢献したい業務について考えてみましょう。
その後に、企業研究を行い、あなたの携わりたい業務と企業の価値観のマッチングを図りましょう。
携わりたい業務を具体的にしつつ、自分と企業の方向性・価値観をマッチングさせよう
繰り返しになりますが、重要なのは企業とあなたのマッチングです。あなたの携わりたい業務内容を具体的に返答することはもちろんですが、企業の価値観や今後の展望に寄り添う形での返答を心がけましょう。
Q3: エンジニアとしてのキャリアプランは?
この質問の意図としては、その企業で実現可能か(企業側と求職者側の認識合わせ)、目標が明確であるかを確認することです。
前章でもお話ししましたが、採用面接は企業と求職者のマッチングです。あなたが答えたキャリアプランは実現できるものかを企業側は検討します。
またこの質問で重要なのは、明確な目標設定をしているかという点です。自然なことですが、企業側はその企業に利益を生む人材が欲しいと考えます。そういった人材になってもらうには、企業活動に対して努力をする人であるかが大切です。そして、明確な目標設定をしている人はその目標に向かって努力します。
つまり、企業活動に一生懸命取り組み、企業にとって有益になる人材かを判定しているのです。
上記のような回答だと、企業から早い段階で退職してしまう可能性があると捉えられてしまいます。企業内で技術や経験を蓄積してそれを還元してほしいという思いがあるため、フリーランスになりたいと考えている人は敬遠されてしまうでしょう。
またエンジニアとしての志望動機と噛み合っていないことは、志望動機もキャリアプランも取ってつけた返答だと捉えられてしまいます。志望動機とキャリアプランは一気通貫していることが大前提です。
企業の価値観に寄り添った短期目標(0〜1年)、中期目標(1〜3年)、長期目標(3〜5年)を伝えよう
Q4: プログラミングを学習しているか?
この質問の意図としては、IT業界やプログラミングに対して主体的に学ぶ意欲があるかを判断するものとなっています。
これから生業にしていくITやプログラミングについて興味関心がどのくらいあるのか?
そういったスキルや技術を自ら学ぶ意欲のある人か?
これらは企業にとって重要な判断指針の一つです。ここまで何度か挙げていますが、企業は利益を生み出す人を求めています。私たち未経験エンジニアがどのように企業に有益な人材であるかを証明するか?それはどれだけ早く技術を身につけて企業活動に貢献できるか、つまりどれだけ主体的に学習をしてスキルを身につけられるかが重要視されるのです。
まずは現状で、その企業のエンジニアとして必要なスキルを学習していることが大前提になります。
大前提として、転職活動時からプログラミングを学習する必要があります。前述したように企業から有益な人材であると判断していただくためはもちろん、採用フローに技能テストがあることや専門的な質問をされること、ポートフォリオの提示を求められた時のためでもあります。
また、企業が採用しているスキルを学習していることも重要です。HTML/CSSももちろん評価はされますが、多くの企業の主要スキルとして挙げられることは少ないです(どちらかといえば知っていることが前提)。学習するべきスキルは、その企業が採用している主要なプログラミング言語が有効でしょう。例えば、大規模開発で採用されることの多いJava、web系企業であればほとんどが採用しているであろうJavaScriptなど、人気が高く広く一般化されている言語を学習しましょう。
また学習を通じて面接時に公開できる制作物を作成するとより好ましいです。
学習意欲をアピールして、企業にとって有益な人材であることを伝えよう
※以下のサイトで求人数の多いプログラミング言語特集が組まれていたのでご参考までに。
Q5: 未経験者のあなたが会社に貢献できることは?
この質問の意図は大きく2点あります。
1. 前職や今までの経験・スキルを活かせる人か
2. 企業と自分とを客観視する能力があるか
1.前職や今までの経験・スキルを活かせる人か
未経験からエンジニアに転職する際の最大の武器は、前職で得たスキルです。転職先企業では得ることのできないスキルを前職で身につけていることも多々あります。そういったスキルを転職先企業で発揮することはあなたにしかできない企業貢献につながります。また経験をキャッチアップできる人物であることも同時にアピールできます。前職やこれまでの経験を転職先企業に還元できることを伝えましょう。
2.企業と自分とを客観視する能力があるか
企業の課題に対して、自分のどのようなスキルがその課題解決に繋げられるか、企業と自分とを客観視する能力が問われています。未経験にはなりますがその組織内での役割を把握し、今できる最大限の活動が求められます。その企業の詳細(事業内容や今後のビジョンなど)を調べていること、十分な自己分析が重要です。
「初めは雑用や挨拶など、出来る限りのことを頑張ります」は絶対NGです。今回はエンジニアに転職(新卒ではなく)にフォーカスを当てているので、前職での経験やスキルをアピールしましょう。
また企業の方向性とかけ離れた発言も避けましょう。
例えば、企業のホームページで「コミュニケーション能力や折衝能力があるプロジェクトマネージャーへの育成」を掲げていたとします。しかし「コミュニケーションを取るのがあまり得意ではないため、専門技術のスペシャリストとして貢献をしていきます。」と答えてしまうと、内容は悪くないのに評価としては低くなる可能性があります。企業の求める人物像から自分を遠ざけない返答をしましょう。
社会人経験から得たスキルを活かして、入社後にあなたが働いている姿を想像させよう
まとめ
以下に、今回の記事でお話ししてきた内容をざっくりとまとめます。
Q1:IT業界・エンジニアを目指した理由は?
IT業界・エンジニア職にしか当てはまらない志望理由を実体験や知見を踏まえて伝えよう
Q2:エンジニアとして携わりたいことは?
携わりたい業務を具体的にしつつ、自分と企業の方向性・価値観をマッチングさせよう
Q3:エンジニアとしてのキャリアプランは?
企業の価値観に寄り添った短期目標(0〜1年)、中期目標(1〜3年)、長期目標(3〜5年)を伝えよう
Q4:プログラミングを学習しているか?
学習意欲をアピールして、企業にとって有益な人材であることを伝えよう
Q5:未経験のあなたが会社に貢献できることは?
社会人経験から得たスキルを活かして、入社後にあなたが働いている姿を想像させよう
今回はエンジニア転職における最大の障壁、採用面接についてをお話ししてきました。
どの質問でも共通して言えることは、どれだけ企業に貢献できる人材かをアピールできるかにかかっています。
企業のコーポレートサイトや採用ページを参考に企業研究を行い、その企業の求める人物像を明確にすることが大切です。
あとはその人物像に沿うように自分のアピールポイントや今後の展望を伝えていきましょう!
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